不動産ビッグデータ分析レポート第18回 — 土地はいつ動くか。登記から読む売買予測

TRUSTARTが保有する2,700万件超の不動産登記履歴を用いて、土地の売買確率を予測するAI・機械学習モデルを構築しました。登記原因・地価・地域による「売れる土地」の条件を定量データで可視化。土地流動性の地域差は最大11倍に達し、モデルが選んだ上位1%では的中率82.3%を実現しています。
レポートの主なインサイト
本レポートでは、TRUSTART独自の不動産登記データをもとに、定量的な分析結果を以下のような視点で整理しています。
登記原因で「売買につながりやすさ」に大きな差——合筆・名義変更は2年内売買率35%

2014〜2025年の登記データをもとに、登記後2年以内に売買された土地の割合を登記原因別に分析しました。合筆・登記名義人の氏名等の変更・地積変更は2年以内に3〜4割が売買される一方、抵当権の設定・遺贈・贈与では1割未満にとどまります。売買に至る時系列も、登記と同時に動く「即時型」、最初の数ヶ月で急増する「準備型」、長期に緩やかに上昇する「分散型」の3類型が確認され、登記の種類からアプローチすべきタイミングが読み取れます。
地価50万円/m²以上の土地は、5万円未満の約4.6倍の売買率

公示価格が高い土地ほど登記後2年以内に売買されやすい傾向が明確です。5万円/m²未満で4.2%だった2年以内売買率は、50万円/m²以上で19.3%と約4.6倍に達します(全体平均は7.64%)。面積帯別では100〜200m²がもっとも売買されやすく(8.6%)、500m²超の大型土地は6%前後にとどまり、都市部の中規模土地が最も活発に取引される実態が裏付けられました。
東京都心5区の2年以内売買率は27.7%——地方圏の約6〜9倍

地域別の流動性格差は顕著です。東京都全体の2年以内売買率は17.9%と全国平均の約2.3倍、千代田・中央・港・新宿・渋谷の都心5区では27.7%と全国平均の3.6倍に達します。政令指定都市では横浜市・川崎市・さいたま市・札幌市が上位を占める一方、地方圏は3〜7%程度にとどまり、土地の流動性が立地の「都市集中度」と強く相関することが改めて確認されました。
2,700万件の登記データが生み出す予測精度——上位1%に絞ると的中率82%

TRUSTARTでは、登記履歴・立地・地価・地域特性など多数の変数を組み合わせたAI予測モデルを構築し、土地ごとに「今後2年以内に売買される確率スコア」を算出します。モデルが「最も売れる可能性が高い」と判断した上位1%の土地に絞ると、的中率は82.3%に達しました。モデルが「売れる」と判断した土地の約5件に4件が、実際に市場に出たことを意味します。
注意事項
- 当社が保有するデータからの集計であり、全数調査ではありません。
- 登記情報は法務局が公開する公開情報をもとに収集しています。
- 本調査結果を使用される際は【TRUSTART株式会社調べ】とご記載ください。元のデータや画像の改変はお控えください。
こんな方におすすめ
- 不動産仕入れ・開発に従事する方
- 金融機関・投資家
- 自治体・政策担当者
- メディア・リサーチャー

