不動産仲介・買取再販の物上げ営業では、「売却可能性のある物件をどう見つけるか」が成果を左右します。本記事では、データを活用した4つのアプローチを解説します。
1. 相続発生物件のトラッキング
法務局では原則として地番ベースでしか登記情報を取得できず、所有者名・住所での横断検索はできません。そのため、登記情報の所有権移転履歴を継続的に追跡できるデータプラットフォームを活用することで、相続による所有権移転が発生した物件を特定できます。相続発生から1〜3年の間は、相続人が売却を検討するタイミングが多く、適切な時期にアプローチすることで成約率が高まります。
2. 空き家・低稼働物件の抽出
長期間人の出入りがない物件、所有者が遠方に住んでいる物件、相続後に住所変更が行われていない物件などは、空き家化している可能性があります。現地確認と組み合わせて優先度をつけることで、効率的にアプローチ先を絞り込めます。なお2024年4月1日施行の相続登記義務化(改正不動産登記法、相続を知った日から3年以内・正当な理由なく怠ると10万円以下の過料)、および2026年4月1日施行の住所等変更登記義務化(住所変更等から2年以内・5万円以下の過料)により、登記情報の鮮度が高まる方向にある一方、過去の未登記物件の整理ニーズも顕在化しやすい局面となっています。
3. 長期保有物件への提案
20年以上保有されている戸建てやマンションは、所有者の年齢が上がっているケースが多く、相続対策や住み替えのタイミングを迎えている可能性があります。所有期間・建物年齢・所有者属性を組み合わせた優先度評価が有効です。
4. 複数物件保有者へのアプローチ
複数物件を保有している所有者は、ポートフォリオの組み替えや資産整理のニーズを持っていることが多いです。所有者の名寄せができるデータベースを活用することで、一物件あたりの調査時間を抑えつつ、提案の幅を広げられます。
物上げ業務の標準化
これら4つのアプローチは、担当者個人の勘や経験に依存させず、データ起点で組織的に再現できる業務として設計することが重要です。リスト作成から DM 配信・架電実行までを一気通貫で行える環境を整えることで、属人化を解消し、若手担当者の早期戦力化も実現できます。





