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家屋番号の調べ方 — 地番から当たる手順と、一致しないときの原因

家屋番号は原則として敷地の地番と同じ番号で定められます(不動産登記規則112条1項)。まず地番を調べるのが最短ルートですが、支号・変更登記の未了・未登記といった理由で一致しないことがあります。登記情報提供サービスで土地の地番から建物を引く方法、区分建物での確認先、課税明細書の番号を鵜呑みにできない理由まで、条文と公式情報にさかのぼって解説します。

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不動産会社向けハウツー#不動産調査#相続・登記
家屋番号の調べ方 — 地番から当たる手順と、一致しないときの原因

建物の登記事項証明書を取ろうとしたら、家屋番号が分からない。住所を入れても出てこない。——この場面でまず知っておきたいのは、家屋番号は原則として「その建物が建っている土地の地番」と同じ番号だということです。法務省令にそう定められています。

用語としての定義は家屋番号で整理しています。本記事はその番号を実際にどう割り出すか、という手順の話です。

つまり、地番さえ分かれば家屋番号もほぼ特定できます。問題は「ほぼ」の部分です。実務では、地番と一致しないケースが一定の割合で出てきます。しかもそもそも家屋番号が存在しない建物もあります。本記事では、家屋番号の決まり方を条文から押さえたうえで、地番から当たる手順と、一致しないときに何を疑えばよいかを整理します。

この記事の要点

原則
家屋番号は敷地の地番と同一の番号で定める(不動産登記規則112条1項)。まず地番を調べるのが最短ルート。
一致しない原因
支号が付いている/敷地が合筆・分筆された/町名地番の変更があった、の3つがほとんど。
存在しない場合
未登記建物には家屋番号がない。表題登記は取得から1か月以内の義務で、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象。

家屋番号は「敷地の地番と同じ」が原則

家屋番号は、建物の登記記録の表題部に記録される事項のひとつです(不動産登記法44条1項2号)。土地でいう地番にあたるもので、建物を特定するために使われます。

その決め方は、不動産登記規則112条1項が定めています。

家屋番号は、地番区域ごとに建物の敷地の地番と同一の番号をもって定めるものとする。

敷地の地番と同じ番号を付ける、というのが原則です。地番が「123番4」の土地に建物が1棟だけ建っていれば、その建物の家屋番号も「123番4」になります。

この原則があるため、家屋番号を調べる作業は、実質的には地番を調べる作業になります。住所(住居表示)しか分からない場合も、まず住所から地番を割り出し、そこから家屋番号に当たるのが基本の流れです。

家屋番号の調べ方

順序としては、手元の書類 → オンライン → 法務局への問い合わせ、と進めるのが早道です。

1. 手元の書類で確認する

法務省の公式Q&Aは、登記済証(いわゆる権利証)や登記識別情報通知書、固定資産税に関する課税明細書で確認するよう案内しています。

課税明細書に家屋番号が載るのは運用ではなく法律上の義務です。地方税法364条3項2号は、家屋に対して課する固定資産税について、家屋課税台帳等に登録された所在、家屋番号、種類、構造、床面積と当該年度の価格を記載した課税明細書を納税者に交付しなければならないと定めています。手元に届いているなら、これが最も手軽な確認先です。

ただし課税明細書の番号を鵜呑みにできない場合があります。この点は後述します。

2. 登記情報提供サービスで、土地の地番から建物を引く

家屋番号が分からないときに効くのが、一般財団法人民事法務協会の登記情報提供サービスにある「土地からの建物検索指定」です。建物の所在や家屋番号が不明な場合に、土地(底地)の地番から、その土地の上にある建物を検索できます

土地の地番を入力して検索すると、その土地上の建物が所在・家屋番号の一覧で表示されるので、そこから選んで請求します。家屋番号を先に特定しなくても建物にたどり着ける、という点で、手元の書類や窓口照会と性質が異なります。

なお、登記・供託オンライン申請システム側の「オンライン登記情報検索サービス」にも同名の「土地からの建物検索指定」があります(ほかに「所在指定」「不動産番号指定」)。土地の所在・地番から建物の所在・家屋番号の一覧を引ける点は同じです。

違うのは目的です。登記情報提供サービスは登記情報そのものをPDFで取得する有料サービスオンライン登記情報検索サービスは証明書を請求する物件を特定するための検索機能です。もっとも、所在から探す場合について、後者の公式のよくある質問は次のように明記しています。

不動産登記情報(全部事項)の検索をするには地番又は家屋番号の特定が必須であるため,地番又は家屋番号が分からない場合は,登記情報の検索はできません。住居表示番号(住所)により該当をする土地・建物の検索をすることはできないので,あらかじめ登記完了証,登記済証,従前に取得した登記簿謄本,登記事項証明書,地図,公図などで地番などを確認しておく必要があります。

同じ回答では、補助として「地番又は家屋番号の一覧表示確認機能」があることもあわせて案内されています。いずれにせよ住居表示(住所)だけでは物件を特定できない点は共通で、登記情報提供サービスも「「住所(住居表示)」ではなく、「地番」又は「家屋番号」を用いて当該不動産を特定する必要があります」と案内しています。住所しか手がかりがない場合は、先に地番を割り出す工程が要ります。

3. 法務局に問い合わせる

手元の書類でも分からない場合、法務省の公式Q&Aは管轄の登記所に尋ねるよう案内しています(担当は登記事項証明書の発行窓口)。

電話照会に応じている法務局もあります。東京法務局は電話でのお問合せ先一覧に「地番、マンション家屋番号照会」という項目を独立して設けています。ただしこれが全国一律の取扱いであることを示す公式の記載は確認できませんでした。管轄の法務局に個別に確認するのが確実です。

窓口では、住居表示から地番を調べられるブルーマップ(住居表示地番対照住宅地図)や地番図を備え付けている法務局もあります。旭川地方法務局は本局窓口への備付けを公式に案内しています。

手数料の比較

手段手数料証明力
登記情報提供サービス(全部事項)330円なし(認証文・登記官印が付かない)
登記情報提供サービス(所有者事項)140円なし
登記情報提供サービス(地図・図面)360円なし
登記事項証明書(窓口・郵送で請求)600円あり
登記事項証明書(オンライン請求・郵送受取)520円あり
登記事項証明書(オンライン請求・窓口受取)490円あり

登記情報提供サービスは証明書にはなりません。公式サイトも「印刷しても、認証文や登記官印がありませんので、証明書にはなりません」と明記しています。金融機関等への提出用には登記事項証明書が必要です。調査目的で内容だけ確認したいなら提供サービス、提出用なら証明書、と使い分けます。

なお、オンラインでの証明書請求は「かんたん登記・供託申請」から行います。以前は「かんたん証明書請求」という名称でしたが、リニューアルにより変更されています。

それでも地番と一致しないことがある

先に引いた規則112条1項には、ただし書きが続きます。

ただし、二個以上の建物が一筆の土地の上に存するとき、一個の建物が二筆以上の土地の上に存するとき、その他特別の事情があるときは、敷地の地番と同一の番号に支号を付す方法その他の方法により、これを定めるものとする。

実務で遭遇するのは、おおむね次の3パターンです。

1. 支号が付いている

一筆の土地に建物が2棟以上あるケースです。同じ「123番4」に2棟建っていれば、条文の定めどおり支号を付けて「123番4の1」「123番4の2」のように区別されます。地番だけで検索して1件も出てこないときは、支号付きの番号を疑います。

ただし、これは2棟が同時に登記される場合です。すでに建物がある敷地に、後から別の建物を登記する場合は事情が異なります。不動産登記事務取扱手続準則79条7号は、後から登記する建物に支号を付した番号を定めるとしたうえで、「最初に登記された建物の家屋番号を必ずしも変更することを要しない」としています。同じ土地に「123番4」と「123番4の2」が併存しうる、ということです。支号なしの番号でも当たってみる必要があります。

なお附属建物には符号が付されます(同条2項)。母屋と物置がある場合、物置は独立した家屋番号を持つのではなく、母屋の家屋番号のもとで符号によって扱われます。

2. 敷地が合筆・分筆された

家屋番号は建物の登記時点の地番をもとに付けられます。その後に合筆や分筆で敷地の地番が動くことはありますが、変わったまま放置される仕組みにはなっていません。不動産登記事務取扱手続準則79条10号は、敷地地番の変更・更正による建物の所在の変更登記等がされた場合には家屋番号を変更すると定めています。

裏を返すと、食い違いが残る主な理由は、その変更登記が未了だからです。現在の地番で見つからないときは、過去の地番で当たり直します。

3. 町名地番の変更があった

行政による町名地番の変更(住居表示の実施に伴う町名変更や地番整理を含む)があったエリアも同様です。変更前の地番で家屋番号が付されたまま残っていることがあります。古い建物ほど、この可能性が高くなります。

家屋番号が「存在しない」建物もある

見落とされやすいのがこのケースです。未登記建物には、そもそも家屋番号が付いていません。家屋番号は表題登記がされて初めて記録されるものだからです。いくら探しても見つからない場合、建物自体が登記されていない可能性を疑う必要があります。

ここで押さえておきたいのは、表題登記が義務だという点です。不動産登記法47条1項は、新築した建物または区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1か月以内に表題登記を申請しなければならないと定めています。そして同法164条1項により、正当な理由なくこの申請を怠った場合は10万円以下の過料の対象となります。

ここで課税明細書に戻ります。地方税法381条4項は、市町村長が家屋補充課税台帳——登記簿に登記されている家屋以外の家屋で固定資産税を課することができるものを登録する帳簿——に、所在・家屋番号・種類・構造・床面積などを登録しなければならないと定めています。

そして課税明細書に載るのは「家屋課税台帳等に登録された」事項であり(同法364条3項2号)、この「家屋課税台帳等」には家屋補充課税台帳が含まれます(同法349条1項)。つまり未登記家屋であっても、課税明細書には家屋番号として番号が載りうるということです。

この番号は、登記されていない家屋について課税台帳上に登録されたものです。登記記録に家屋番号が存在するとは限りません。課税明細書の番号で登記事項証明書を請求しても出てこない場合、書き写しの誤りではなく、そもそも登記されていない可能性を疑ってください。

取引の場面で未登記建物に行き当たったときは、「家屋番号が分からない」という調査上の問題ではなく、表題登記を誰がいつ行うのかという取引条件の問題として扱う必要があります。融資を伴う取引では、登記されていない建物に抵当権の設定登記ができないため、決済までに表題登記を済ませる段取りが要ります。

家屋番号と間違えやすい番号

調査の現場では、似た番号が複数登場します。混同すると請求が通りません。

名称何を指すか根拠
家屋番号建物を特定する番号。原則として敷地の地番と同一不動産登記法44条1項2号/規則112条
地番土地を特定する番号。建物ではなく土地に付く不動産登記法34条1項2号・35条
住居表示郵便物の宛先などに使う住所。登記とは別の制度住居表示に関する法律
不動産番号登記官が一筆の土地・一個の建物ごとに記録することができる識別番号。これ1つで不動産を特定でき、所在・地番・家屋番号の記載を省略できる不動産登記規則1条8号・90条・193条1項2号

とくに不動産番号は覚えておく価値があります。登記事項証明書などの交付を請求するとき、請求情報として提供すべきものは「不動産所在事項又は不動産番号」と定められています(規則193条1項2号)。つまり不動産番号が分かっていれば、家屋番号を書かなくても請求できます

登記事項証明書をすでに1通持っている物件について追加で請求する場面では、表題部の不動産番号を使うほうが、家屋番号や所在地番を書き写すより速く、写し間違いも起きません。

マンション(区分建物)の場合

分譲マンションのような区分建物では、番号の付き方が単独建物と異なります。押さえるべきは一棟の建物そのものには家屋番号が付かないという点です(規則4条3項・別表三の「一棟の建物の表示欄」に家屋番号の欄はありません)。家屋番号が付くのは各専有部分(住戸)で、区分建物の表題部に記録されます。

では何を見れば全戸の家屋番号が分かるかというと、区分建物の登記記録そのものです。規則4条3項と別表三により、区分建物の登記記録の表題部は「一棟の建物の表題部」と「区分建物の表題部」に分かれ、前者に専有部分の家屋番号欄が置かれて「一棟の建物に属する区分建物の家屋番号」が記録されます。一棟の建物の表題部は独立した登記記録ではなく、各区分建物の登記記録の一部です。

この欄は、区分建物の登記記録の表題部に「当該建物が属する一棟の建物に属する他の建物の家屋番号」を記録するという規則116条1項の定めを、登記記録上の欄として具体化したものです。

したがって、目当ての住戸の家屋番号が分からないときは、専有部分の家屋番号欄で一覧を確認するのが確実です。登記所では、一棟の建物に属するすべての区分建物の登記記録を収めた一棟建物全部事項証明書(規則196条1項5号)を請求できます。表札や郵便受けの部屋番号をそのまま家屋番号として請求すると、別の住戸の証明書が出てくることがあります。付番の方法は規則112条ただし書の「支号を付す方法その他の方法」に委ねられており、部屋番号と一致する保証はありません。

複数の物件をまとめて調べるとき

1件だけなら、地番を調べて家屋番号に当たる作業はさほど負担ではありません。負担になるのは件数が増えたときです。住所から地番を割り出し、地番から家屋番号を特定し、そのうえで証明書を請求する——この3段階を物件ごとに繰り返すことになるためです。管轄をまたぐ調査では、さらに請求先も分かれます。

R.E.DATAは、全国のブルーマップと連携した地図上で対象地を選択できるため、住所から地番を割り出す工程自体を省けます。地図で複数の物件をまとめて選択し、登記簿をオンラインで一括取得したうえで、所有者名などの一覧をエクセルに出力できます。詳しい流れは謄本取得業務の効率化にまとめています。

まとめ|明日からできる3つのアクション

  • 家屋番号は敷地の地番と同一の番号で定めるのが原則(規則112条1項)。まず地番を調べるのが最短ルート。
  • 一致しないときは支号・合筆分筆・町名地番の変更の3つを疑う。過去の地番で当たり直す。
  • 未登記建物には家屋番号が存在しない。表題登記は取得から1か月以内の義務で、正当な理由なく怠れば10万円以下の過料の対象(法47条1項・164条1項)。
  • 区分建物では家屋番号と部屋番号が一致するとは限らない。専有部分の家屋番号欄で確認する。
  1. まず地番を確定させる。 家屋番号を直接探すより、地番からたどるほうが早い。
  2. 出てこなければ、支号と過去の地番を疑う。 番号の付け方に例外があることを前提に当たり直す。
  3. それでも無ければ、未登記を疑う。 調査の問題ではなく取引条件の問題として、表題登記の段取りを確認する。

家屋番号が見つからないという状況は、多くの場合「探し方が足りない」のではなく「番号の付け方に例外がある」か「そもそも登記されていない」かのどちらかです。原則と例外を知っていれば、どこで手を止めて次の手に移るべきかが判断できます。

参考(一次情報)

  • 不動産登記法(平成16年法律第123号)34条1項2号、35条、44条1項2号、47条1項、164条1項
  • 住居表示に関する法律(昭和37年法律第119号)
  • 不動産登記規則(平成17年法務省令第18号)1条8号・9号、4条3項・別表三、90条、112条1項・2項、116条1項、193条1項2号、196条1項5号
  • 不動産登記事務取扱手続準則(平成17年2月25日民二第456号通達)79条2号・7号・10号
  • 地方税法(昭和25年法律第226号)349条1項、364条3項2号、381条4項
  • 法務省「登記情報提供サービスに係る利用料金等一覧」「登記手数料について」
  • 登記・供託オンライン申請システム よくある質問「地番や家屋番号が分からない場合」/オンライン登記情報検索サービス よくある質問
  • 一般財団法人民事法務協会 登記情報提供サービス「土地からの建物検索指定」操作説明
  • 東京法務局「電話によるお問合せ先一覧」/旭川地方法務局「地番を調べる方法はありますか」

条文は e-Gov 法令検索の現行条文、手数料は各公式サイトの表示額を2026年7月29日時点で確認した。手数料は改定されることがあるため、実際の請求前に最新額をご確認いただきたい(登記情報提供サービスは2026年4月1日、登記事項証明書は2025年4月1日に改定されている)。

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