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公図(こうず)

公図とは、土地の位置・形状・地番の配置を示す法務局備付けの図面です。不動産登記法の一次情報に基づき、14条地図と地図に準ずる図面の違い、地積測量図との違い、見方・取得方法・現況とのズレまでを実務目線で解説します。

調査・業務改善
公開: 2025/09/16更新: 2026/07/22
· 6 min read
不動産会社向け#不動産調査#相続・登記
公図

公図とは、土地の位置や形状、地番の配置を示す、法務局に備え付けられた図面です。どの土地がどこにあり、隣の土地とどう接しているかを把握する、土地調査の出発点になる基本資料です。ただし精度が高くないものもあり、正確な面積や境界は測量図との照合が欠かせません。

本記事では、不動産登記法などの一次情報に基づいて、公図の意味と種類(14条地図・地図に準ずる図面)、地積測量図や地図との違い、公図の見方、取得方法、そして現況とズレる理由までを整理します。土地を購入する方はもちろん、仕入れ・査定・調査で公図を扱う実務者の方にも役立つ内容です。

公図とは — 土地の位置・形状・地番を示す図面

公図とは、土地の地番ごとの区画や、おおよその位置・形状を示す図面で、法務局に備え付けられています。隣り合う土地との位置関係や、道路・水路との接し方を把握するのに使われます。登記事項証明書が所有者・面積などの文字情報を示すのに対し、公図は土地の並び方を図で示す役割を担います。土地を特定し、調査の見取り図とするうえで欠かせない資料で、法務局の窓口やオンラインで誰でも取得できます。

公図の種類 — 14条地図と地図に準ずる図面

法務局に備え付けられる図面は、不動産登記法にもとづき大きく2種類に分かれます(出典:不動産登記法第14条)。

14条地図(法第14条第1項)地図に準ずる図面(法第14条第4項)
作成の基礎国土調査や登記所の地図作成事業による測量・座標値明治期の地租改正に由来する旧公図を引き継いだもの
精度位置・形状の正確性が高い精度が低く、現況とずれることがある
整備状況整備が進められている途上いまも多くの地域で使われている

一般に「公図」と呼ばれるのは後者の「地図に準ずる図面」を指すことが多く、位置や形状が現況や測量図と一致しない場合がある点に注意が必要です。

公図と地積測量図・地図の違い

土地に関わる図面には、公図のほかにもいくつかの種類があり、目的と精度が異なります。

  • 公図:地番の配置や土地の並び方を示します。位置関係の把握に使いますが、精度は高くありません。
  • 地積測量図:一筆の土地の測量結果を示す図面です。境界点や辺の長さ、地積(面積)が記載され、正確性が高い一方、すべての土地に備わっているわけではありません。
  • 一般の地図:国土地理院や地図会社などが位置の把握・案内のために作るもので、登記の根拠にはなりません。

公図の見方

公図には、地番・土地の区画のほか、道路や水路などが記載されています。実務では次の点を読み取ります。

  • 地番と区画:対象地の地番の位置と、隣接する土地との関係を確認します。
  • 道路・水路:接している道路や、赤線(旧道・里道)・青線(水路)などの記載を確認します。接道の状況は再建築の可否にも関わります。
  • 筆界未定:境界(筆界)が確定していない区域は、区画が点線などで示されることがあります。

公図の取得方法

公図は、次の方法で取得できます(出典:法務局)。

  • 法務局の窓口:対象地を管轄する法務局で請求します。地番が必要です。
  • オンライン:登記・供託オンライン申請システムや、登記情報提供サービスを利用します。
  • 郵送:申請書を郵送して取り寄せます。

公図と現況がズレる理由

「地図に準ずる図面」と呼ばれる旧公図は、明治期の地租改正のために作られた図面を引き継いだものが多く、当時の測量技術の限界から、位置や形状が現況と一致しないことがあります。土地の実際の面積が公図や台帳と食い違う「縄伸び・縄縮み」も、その一例です。正確な面積や境界が求められる場面では、公図だけで判断せず、地積測量図や確定測量図、現地調査を併用するのが安全です。

実務での公図の使われ方

仕入れ・査定・調査の初動では、まず公図で対象地の地番・位置・隣接関係をつかみ、そこから登記記録や測量図へと調査を広げます。公図は「どの土地を調べるか」を定める見取り図です。次の点を押さえます。

  • 対象地の地番の位置と、隣接地・道路・水路との関係を公図で確認する。
  • 面積・境界は、地積測量図や確定測量図で裏づける。
  • 接道・私道・水路の有無など、価格や再建築に関わる要素を早い段階でつかむ。

もっとも、公図は1枚の図面にすぎず、仕入れや与信の判断には、所有者・権利関係・周辺の取引事例といった情報を重ねる必要があります。登記記録の読み解きは登記簿謄本の見方でも解説しています。

よくある質問

Q. 公図で正確な面積は分かりますか?

A. 分かりません。公図は位置や形状の目安を示すもので、正確な面積は地積測量図や実測で確認する必要があります。

Q. 公図と地図(14条地図)は何が違いますか?

A. 14条地図は測量・座標値にもとづく精度の高い図面、地図に準ずる図面(いわゆる公図)は旧公図を引き継いだ精度の低い図面です。どちらも法務局に備え付けられています。

Q. 公図と現況が違うのはなぜですか?

A. いわゆる公図(地図に準ずる図面)は明治期の地租改正に由来し、当時の測量精度が低いためです。14条地図に置き換えられた区域では精度が高くなります。

Q. 公図は誰でも取得できますか?

A. できます。法務局の窓口・オンライン・郵送で、手数料を払えば誰でも取得できます。

Q. 公図と地積測量図はどちらを見ればよいですか?

A. 位置関係や地番の配置は公図、正確な面積や境界は地積測量図で確認します。目的に応じて併用するのが基本です。

関連用語

  • 地番 — 公図上で土地を特定する番号です。
  • 地積 — 公図では正確に分からない土地の面積です。
  • 境界 — 公図と測量図で確認する土地の境目です。
  • 法務局 — 公図を取得する機関です。

まとめ — 公図は土地調査の「見取り図」

公図は、土地の位置・形状・地番の配置を示す、調査の出発点となる図面です。14条地図と地図に準ずる図面があり、いわゆる公図は精度が高くないため、正確な面積・境界は地積測量図や実測で裏づけます。仕入れ・査定の初動では、公図で対象地をつかみ、登記記録や測量図へと調査を広げるのが基本です。一方で、公図1枚では意思決定はできず、所有者・権利関係・取引データとの突合が欠かせません。

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参考(一次情報)

本記事中の制度に関する記述は、以下の公的資料を確認のうえ作成しています。

  • 不動産登記法 第14条(第1項=登記所に備え付ける地図、第4項=地図が備え付けられるまで備える「地図に準ずる図面」)
  • 法務局「登記・供託オンライン申請システム」「登記情報提供サービス」(公図・地図の取得方法)
  • 「地図に準ずる図面」は明治期の地租改正に由来する旧公図を引き継いだもので、現況・測量図と一致しない場合がある旨(法務局・登記実務の一般的な説明)

※公図の精度や現況との整合は、区域や作成時期により異なります。正確な面積・境界の確認には、地積測量図・確定測量図や土地家屋調査士による調査が必要です。取引・事業化にあたっては一次資料の確認と専門家への相談をお願いします。

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