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第二種低層住居専用地域(だいにしゅていそうじゅうきょせんようちいき)

第二種低層住居専用地域は、13ある用途地域のなかで第一種低層住居専用地域に次いで規制が厳しい区分です。低層住宅地であることは変わらないまま、住宅以外に小規模な店舗が加わる点だけが違います。建ぺい率は30〜60%、容積率は50〜200%で、絶対高さ・外壁後退・北側斜線がそろってかかります。定義と数値の骨格、隣り合う2区分との違い、調査で確認する順序を整理し、建物の名前で可否を引ける一覧を付けました。

調査・業務改善
公開: 2025/07/05更新: 2026/09/01
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不動産会社向け#不動産調査
第二種低層住居専用地域

第一種低層住居専用地域と隣り合って指定されていることが多く、都市計画図の色を読み違えると出口の設計を間違えます。条文上の差は別表第2(ろ)項2号の1号ぶんですが、その1号が独立した店舗の成否を分けます。ただし業種にも規模にも限定があり、「小さければ何でも建つ」ではありません

第二種低層住居専用地域とは

第二種低層住居専用地域とは、都市計画法9条2項に基づく用途地域のひとつで、主として低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するために定める地域です。第一種低層住居専用地域(同条1項)と文言は同じで、頭に「主として」が付くかどうかだけが違います。第一種中高層住居専用地域(同条3項)は、守る対象が「中高層住宅」に替わります。

この「主として」が、住宅以外の用途をわずかに入れる根拠になります。低層住宅地であることは変わらないまま、日常の買い物先が地域の内側に入ってくるという読み方です。街の姿でいえば、戸建てと低層の共同住宅が並び、角地や通り沿いに小さな店が点在する住宅地になります。

建てられる建物・建てられない建物

建築基準法48条2項は「別表第2(ろ)項に掲げる建築物以外の建築物は、建築してはならない」と定めます。多くの区分が禁止列挙であるのに対し、ここは第一種低層住居専用地域と同じ許可列挙で、列挙にない用途は規模を絞っても原則として建てられません。ただし特定行政庁が良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、または公益上やむを得ないと認めて許可した場合は例外があります(48条2項ただし書・15項・16項)。

第二種低層住居専用地域内に建築することができる建築物
1号(い)項1号から9号までに掲げるもの(=第一種低層住居専用地域と同じ)
2号店舗、飲食店その他これらに類する用途に供するもののうち政令で定めるもの(=施行令130条の5の2)で、その用途に供する部分の床面積の合計が150㎡以内のもの(三階以上の部分をその用途に供するものを除く)
3号1号・2号の建築物に附属するもの(政令で定めるものを除く=施行令130条の5)

1号が引く(い)項1号〜9号は第一種低層住居専用地域と同一の列挙です。読み違えやすいのは学校診療所で、(い)項4号の学校からは大学・高等専門学校・専修学校・各種学校が除かれ、(い)項8号は「診療所」であって病院は入りません

150㎡の店舗として認められるのは5類型だけ

2号の「政令で定めるもの」は施行令130条の5の2で次のとおり限定されています。150㎡以内なら何でも建てられるわけではありません。

認められるもの
1号日用品の販売を主たる目的とする店舗、食堂、喫茶店
2号理髪店、美容院、クリーニング取次店、質屋、貸衣装屋、貸本屋その他これらに類するサービス業を営む店舗
3号洋服店、畳屋、建具屋、自転車店、家庭電気器具店その他これらに類するサービス業を営む店舗(作業場の床面積の合計が50㎡以内。原動機を使用する場合は出力の合計0.75kW以下)
4号自家販売のために食品製造業を営むパン屋、米屋、豆腐屋、菓子屋その他これらに類するもの(作業場の要件は3号と同じ)
5号学習塾、華道教室、囲碁教室その他これらに類する施設

この5類型に「事務所」は入っていません。150㎡以内であっても独立した事務所は建てられず、事務所を置けるのは(い)項2号の兼用住宅の枠内だけです。施行令130条の3は延べ面積の2分の1以上を居住の用に供すること兼ねる用途に供する部分の床面積の合計が50㎡を超えないことを両方求めます。店舗は150㎡まで、事務所は住宅と兼ねて50㎡までの二重構造です。

2号のかっこ書も落とせません。三階以上の部分をその用途に供するものは2号から外れます。150㎡の枠を使えるのは、その用途に供する部分が二階以下にとどまる場合です。なお3号の附属建築物にも施行令130条の5による除外(附属の自動車車庫の床面積の上限、2階以上の部分にある車庫、15㎡超の畜舎、危険物)があり、内容は第一種低層住居専用地域と共通です。

建ぺい率・容積率・高さ制限

項目第二種低層住居専用地域根拠
建蔽率30・40・50・60%のいずれか建築基準法53条1項1号
容積率50・60・80・100・150・200%のいずれか同52条1項1号
前面道路による容積率幅員12m未満のとき幅員(m)×4/10。道路が2以上あるときは最大の幅員で読む同52条2項柱書・1号
絶対高さ制限10mまたは12m。都市計画で定めるものとされている同55条1項/都市計画法8条3項2号ロ
外壁の後退距離1.5mまたは1m都市計画で定められた場合のみ建築基準法54条1項・2項
道路斜線かかる。勾配1.25、適用距離20m(容積率200%以下)同56条1項1号・別表第3一の項
隣地斜線かからない(56条1項2号イ〜ニの列挙に低層住居専用地域がない)同56条1項2号
北側斜線かかる。真北方向の水平距離×1.25+5m同56条1項3号
日影規制条例で指定された区域で軒の高さ7m超または地階を除く階数3以上が対象。測定面は平均地盤面から1.5m同56条の2第1項・別表第4一の項

建蔽率の指定値には上乗せがあり、特定行政庁が指定する角地等で10分の1、防火地域内の耐火建築物等(準防火地域内の耐火建築物等・準耐火建築物等を含む)でさらに10分の1、両方に当たれば最大10分の2が加算されます(53条3項1号・2号)。60%が80%になる差です。限度10分の8の地域を対象とする3項1号のかっこ書と6項1号は、この区分には及びません。

絶対高さは10mか12mのどちらかを都市計画で定めるものとされています(都市計画法8条3項2号ロ)。ただし定められることと、例外なく適用されることは別です。敷地の周囲に広い公園・広場・道路その他の空地を有する建築物と、学校その他その用途によってやむを得ない建築物で特定行政庁が許可したものには、55条1項・2項が適用されません(55条4項)。

10mと定められた地域には緩和もあります。敷地内に政令で定める空地を有し、敷地面積が政令で定める規模以上で、特定行政庁が良好な住居の環境を害するおそれがないと認めるものは12mになります(55条2項)。空地の割合は、建蔽率の最高限度が定められている場合「1から当該最高限度を減じた数値に10分の1を加えた数値」以上、規模は1,500㎡(特定行政庁が規則で750㎡以上1,500㎡未満に別に定められます)です(施行令130条の10)。戸建区画では届かない一定規模の開発向けの緩和です。

外壁の後退距離は都市計画で定められた場合にだけかかります(54条1項。同項には「政令で定める場合を除き」という留保もあります)。定めのない地域もあるため指定の有無を先に見てください。実際に効く高さは絶対高さより北側斜線であることが多く、加算値は中高層住居専用地域の10mに対して5mです。さらに高度地区が定められた区域ではその内容にも適合させる必要があり(58条1項)、高度地区は用途地域内なら区分を問わず定められます(都市計画法9条18項)。絶対高さ10m/12mは高度地区の内容までは担保しません。

他の用途地域との違い

隣り合う2区分に挟んで並べます。3区分とも許可列挙で、右へ行くほど列挙が増えます。

第一種低層住居専用第二種低層住居専用第一種中高層住居専用
独立した店舗・飲食店
(その用途に供する部分の床面積の合計。いずれも三階以上に供するものを除く)
不可(兼用住宅の枠のみ)150㎡以内((ろ)項2号)500㎡以内((は)項5号)
大学・病院不可不可((は)項2号・3号)
容積率50〜200%(52条1項1号)同左100〜500%(同項2号)
絶対高さ10mまたは12m同左なし(55条1項の対象外)
外壁の後退距離1.5mまたは1m(定めがある場合)同左なし(54条1項の対象外)
北側斜線真北方向の距離×1.25+5m同左10m(日影の条例指定区域を除く)
隣地斜線かからないかからないかかる(立ち上がり20m・勾配1.25)
日影規制の対象軒高7m超または階数3以上
(測定面1.5m・別表第4一の項)
同左高さ10m超
(測定面4mまたは6.5m・同二の項)

第一種低層住居専用地域との差は用途の1号ぶんだけで、数値はすべて同じです。読み分けが要るのは第一種中高層住居専用地域との差で、絶対高さと外壁後退が外れ、容積率の上限が上がり、北側斜線の加算が5mから10mに緩む代わりに隣地斜線が登場します。「低層」の名が外れた瞬間に、規制の主役は用途の列挙から高さへ移ります。13区分の並びは用途地域13種類の比較で確認できます。

調査で確認すること

用途地域は都市計画図で読み取れますが、そこで確定するのは区分の名前までです。次の順に潰します。

  1. 一種か二種か — 数値は同じで、独立店舗が成立するかが変わる
  2. 予定業種と店舗の規模・階 — 業種は施行令130条の5の2の5類型に限られ(事務所は入っていない)、150㎡はその用途に供する部分の床面積の合計。三階以上の部分をその用途に供するものは(ろ)項2号から外れる
  3. 絶対高さが10mか12mか — 都市計画で定めるものとされている(都市計画法8条3項2号ロ)
  4. 外壁の後退距離の指定の有無 — 定めのない地域もある(54条1項)。あれば有効宅地が削られる
  5. 建蔽率・容積率の指定値と、角地等・防火地域・準防火地域の指定 — 53条3項で最大10分の2が加算される
  6. 前面道路の幅員 — 12m未満なら幅員(m)×4/10が指定容積率に重なる(52条2項1号)
  7. 敷地の真北方向 — 北側斜線は真北方向の水平距離で測る(56条1項3号)。同じ形でも向きで結果が変わる
  8. 条例と告示に当たる項目 — 日影規制の対象区域と号の指定、高度地区の高さの最高限度は都市計画図で確定しない。対象区域外の高さ10m超の建築物でも、冬至日に対象区域内へ日影を落とせば対象とみなされる(56条の2第4項)
  9. 敷地が用途地域の境界にかかっていないか — 用途の制限は過半が属する地域の規定によるが(91条)、建蔽率・容積率・斜線・日影は同条の適用対象から除かれる

代表的な建物

建物の名前で引ける一覧です。○=建てられる/△=規模や条件つき/×=建てられない(×も特例許可を受けた場合は例外があります=48条2項ただし書)。×の理由はほぼすべて「(ろ)項に列挙されていない」ことです。「150㎡の枠」はその用途に供する部分の床面積の合計が150㎡以内で、三階以上の部分をその用途に供しないもの((ろ)項2号)を指します。

建物可否条件・根拠
コンビニ150㎡の枠内で施行令130条の5の2第1号の日用品の販売を主たる目的とする店舗に当たる場合。条文にその語はなく該当性は特定行政庁の判断
スーパー・ドラッグストア同上。150㎡を超えると枠から外れ不可
飲食店150㎡の枠内で食堂・喫茶店(同第1号)
事務所×5類型に事務所がなく、150㎡以内でも独立しては不可。兼用住宅の枠なら可(施行令130条の3第1号。汚物運搬用自動車等のための駐車施設を同一敷地内に設けて業務を運営するものを除く)
ホテル・旅館×列挙がない
マンション(共同住宅)(ろ)項1号が引く(い)項3号(寄宿舎・下宿も同じ)。用途としての規模の上限はないが、容積率・絶対高さ・北側斜線が実際の上限になる
戸建て住宅(い)項1号
保育所(い)項6号(老人ホーム・福祉ホームも同じ)
小中学校(い)項4号(大学・高等専門学校・専修学校・各種学校は除かれる)
病院・診療所診療所は○((い)項8号)、病院は×((ろ)項に号がなく(は)項3号=第一種中高層から)
カラオケボックスなどの娯楽施設×列挙がない(施行令130条の5の2第5号の学習塾等にも当たらない)
パチンコ・スロットなどの遊技場×列挙がない
コインパーキング(単独の自動車車庫)×単独の車庫の号がない。附属の車庫は(ろ)項3号だが施行令130条の5の枠内に限る(屋根も柱もない平面駐車場は建築物に当たらず、用途制限の対象外)
物流倉庫(倉庫業を営むもの)×列挙がない
工場×独立した工場の号がない。150㎡の枠のうち自家販売のための食品製造業を営むパン屋・米屋・豆腐屋・菓子屋等(施行令130条の5の2第4号)や同第3号の店舗なら可(作業場の床面積の合計50㎡以内。原動機を使用する場合は出力の合計0.75kW以下)

参考(一次情報)

  • 都市計画法(昭和43年法律第100号)9条2項(定義)、9条1項・3項(対照)、8条3項2号ロ(低層住居専用2地域・田園住居地域について建蔽率・外壁の後退距離の限度・建築基準法55条1項の高さの限度を都市計画に定める事項)、8条3項2号ト・9条18項(高度地区)
  • 建築基準法(昭和25年法律第201号)48条2項・15項・16項、52条1項1号・2号・2項柱書・2項1号、53条1項1号・3項1号2号・6項1号、54条1項・2項、55条1項〜4項、56条1項1号〜3号、56条の2第1項・4項、58条1項、91条、別表第2(い)項・(ろ)項・(は)項2号3号5号・(と)項4号、別表第3一の項、別表第4一の項・二の項
  • 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)130条の3((い)項2号の兼用住宅)、130条の5((ろ)項3号の附属建築物)、130条の5の2((ろ)項2号の店舗・飲食店等)、130条の10第1項・2項(55条2項の空地の割合と敷地面積の規模)

条文はe-Gov法令検索の現行条文を2026年9月1日時点で確認しました。建蔽率・容積率・絶対高さ・外壁の後退距離・日影規制の具体的な数値、高度地区・防火地域・角地等の指定の有無と内容は、都市計画および地方公共団体の条例で地域ごとに定められます。用途制限には48条2項ただし書の特例許可が、絶対高さ・外壁後退・斜線制限・日影規制には特定行政庁の許可等による適用除外や緩和があります。必ず当該自治体の都市計画図および条例をご確認ください。

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